前頭側頭葉変性症の症状

前頭側頭葉変性症』で現れる症状は、脳の前頭葉や側頭葉が委縮することで引き起こされます。


前頭葉や側頭葉が委縮する

『前頭側頭葉変性症』で現れる症状は、脳の前頭葉や側頭葉が委縮することで引き起こされます。 前頭葉は人間の「最高次の中枢」といわれており、意欲をもって自発的にいろいろなことを行ったり、 計画を立ててそれを遂行するといったことに関わっています。 さまざまな状況を判断しながら、自分から実行に移すためには、前頭葉の働きが欠かせません。

脳の部位をコントロールするのも、前頭葉の重要な働きです。 ”我が道を行く”行動も、同じことを繰り返すような行動も、通常は前頭葉の働きによって抑制されています。 前頭側頭葉変性症で現れる行動障害の多くは、この抑制が外れることで起こります。 前頭葉は、いわば人間的行動をするための”司令塔”で、それがうまく機能しなくなると、その人らしさが失われていきます。 側頭葉は”知識の貯蔵庫”とも呼ばれており、「意味記憶」を司る働きをしています。 ここが委縮してくると、言語性の意味が失われたり、視覚性の意味が失われたりします。

前頭側頭葉変性症では、前頭葉や側頭葉の萎縮が起こりますが、この現象が起こる原因は明らかになっていません。 かつて、前頭葉や側頭葉だけが委縮する状態をピック病と呼んでいたとき、脳の神経細胞にできる「ピック小体」 という物質も発見されました。これが神経細胞が死滅する原因ではないかと考えられたのですが、 ピック病のある人の半分には、ピック小体が見られなかったのです。 その後研究が進み、現在では、さまざまな異常たんぱくの蓄積が関係しているのではないかと考えられています。